朝が苦手な中高生

こんにちは!
今回は睡眠に関してです。
初めの方のブログにも書きましたが、日本人の子供の睡眠時間は世界的にみても短い傾向にあります。
しかしただ単位睡眠を取れていないと言っても原因は様々です。
今回は最近の若者に多いものを抜粋してきましたので参考にして頂けたたらと思います。

ナルコレプシー
日中の過度の眠気や通常起きている時間帯に自分では制御できない眠気が繰り返し起こることを特徴とする睡眠障害。
通常は突然の一時的な筋力低下(情動脱力発作)を伴います。
その他の症状として、睡眠麻痺、鮮明な夢、入眠時または覚醒時に起こる幻覚などがあります。

突発性過眠症
発症は10~20歳代。
有病率はナルコレプシーよりやや少ないと推測されています。
昼間の眠気と居眠りを主症状とする。
居眠りは1時間以上続き、目覚め後はすっきりと覚醒できずに眠気が持続しリフレッシュ感が乏しい場合が多い。
夜間睡眠が10時間以上と著しく長い場合がある。

反復性過眠症
非常にまれな疾患です。
初発はほとんど10歳代で女性よりも男性で頻度が高いとされています。
強い眠気を呈する時期(傾眠期)が3日から3週間持続し、自然に回復してまったく症状がなくなるが、その後、不定の間隔で傾眠期が繰り返し出現する。

ナルコレプシーは日本では600人に1人
朝に起きられない中高生はクラスに2-3人いる?

検査方法
・主観的な指標:エプワース睡眠尺度(ESS)で24点満点中11点以上
・過眠症の診断:客観的な睡眠検査 反復睡眠潜時テスト(MSLT)

ナルコレプシーと過眠症の診断区分
・ナルコレプシー・タイプ1:過眠+脱力発作+脳波所見
・ナルコレプシー・タイプ2:過眠+脳波所見(入眠↓,REM +)
・特発性過眠症(長時間の睡眠を伴わない):過眠+脳波所見
・特発性過眠症(長時間の睡眠を伴う):過眠+長時間睡眠
・睡眠不足症候群:過眠
・睡眠時無呼吸症候群の治療後の残遺眠気
・交代勤務による過眠症状


眠気の日内リズム
(0時就寝、7時起床のサイクルの人の場合)
20-22時は睡眠禁止ゾーンだがテスト前とかで夜からなぜかやる気が、、、
→入眠までの時間が徐々に後退していくリズムが徐々にずれていく。

豆知識
起立性調節障害と睡眠相後退症候群は別の疾患概念ですが相互に併存していること多くみられると考えられています。
起立性調節障害の86%で朝の起床困難が認められると報告されてます(呉2018)。
発達障害 
自閉症スペクトグラムの方は遅寝遅起き傾向が多いそうです。

朝に起きられない中高生への現場での対応例
・『早寝対策』,『起床対策』
・なんとか夜は23時〜24時前には寝て頂く
・メラトニン徐放薬のメラトベル1-2mgを眠前に
・オレキシン拮抗薬のレンボレキサント(デエビゴ)2.5-5mgを頓服で。必要なら定期で眠前に
・両薬とも徐々に内服を早める
・共にBZ系を若者に使った場合のように脱抑制気味にはなりにくい
・アリピプラゾール(エビファリン)0.5-1mgを朝か昼に内服すると翌朝に効く
・起床困難は保険適応ないので自閉症スペクトラムや双極性障害の診断でなんとかしていることが多いそうです。
・視交叉上核(SCN)の働きとメラトニン(MEL)の分泌とその周期性と拮抗薬

起床困難が主の場合
・朝に起きられない場合でも途中から登校する
・入院等して朝に起きれば登校する
・休日・休暇中も朝は寝ている

不登校が主の場合
・入院等して朝に起きても登校できない
・休日・休暇中は起きられる
・不登校への支援が必須
・睡眠医療だけでは力不足

遅寝遅起きが睡眠後退を促しリズムの崩れを生み出す。
若者のはそもそも覚醒のピークが夜中にくるため外日リズムが
後ろにずれて遅寝遅起き傾向にある。
30代半ばからは朝型に移行してくるので         
社会に適した覚醒のピークが朝にやってくるようになります。

exイギリスでの睡眠実験
2016年の授業開始が7:50
学校が睡眠に対しての改善策を少しずつ実施
2017年には授業開始が8:45に変更となる
        ↓
・平日の睡眠時間の増加
・授業中の生徒の眠気低下
        ↓
授業の時間を約1時間遅らせただけでも明らかに
◎学業パフォーマンス
◎メンタルヘルスや事故などが改善が見られたそうです


良い睡眠へのプロセス
・睡眠は減点法
⇨『睡眠が悪くなること』をやめる
残念ながら万人に効く良い方法は存在しない!!

できること
・就寝前の仕事・勉強やSNS等をやめる
・20分以内の仮眠
・不安や悩みを解決
・眠剤の活用
・専門治療
・スマホの置き場を変える
・寝過ぎよりもいくらでも寝れるは注意
・2度寝はなるべくしないように
・負担が少なく長続きする有酸素運動
 (早足の散歩や軽いランニング)
 ⇨夕方から夜(就寝前の3時間前)の運動
・就寝の数時間前に運動することにより脳の温度を一過性にあげ
・寝る頃に脳温の低下してくると眠気が起こりやすく
・就職の2〜3時間前の入浴
 体温の上昇が0.5度くらいで寝付きへの良い効果は認められている。
(38度のぬるめのお湯で25-30分、42度の熱めのお湯なら5分程度)
 半身浴(腹部までを湯船につけ約40度のお湯で30分ほど汗をかく程度に入浴)でも寝付きの効果が認められています。
 上記に書いてはいますが自分の体調や好みにあった入浴を選択することが大切です。
・朝の光は後ろにずれた体内時計を戻す働きがあるので起床直後の光が最も重要
 トータルで30分以上を目標に!
 (通勤、通学なども含めて)
・夜の光に注意
 家庭の照明でも(照度100~200ルクス)長時間浴びると体内時計が遅れます。
 また日本でよく用いられている白っぽい昼白色の蛍光灯は体内時計を遅らせる作用があるため
 赤っぽい暖色系の蛍光灯が理想です。

よくある勘違い
・私は毎日5〜6時間睡眠で日中眠くないから大丈夫
 *日本人特有の寝てないことでの美徳
⇨睡眠時間を伸ばしてみたら調子が良くなることも!

・日中は忙しくて時間取れないから睡眠効率をあげよう!
⇨そもそも伸び代がないかも...

=まずは十分な睡眠量の確保を!

ex
睡眠中1〜2時間おきに起きてしまう
レム睡眠中の度に血中酸素ウェルネスが不安定に
⇨呼吸が苦しくなって覚醒している
 REM睡眠→筋の脱力(舌が下に落ち込む)
 無呼吸症候群とまではいかいかないが睡眠中に酸素欠乏に…
 結構激しく下がっても若い方だと問題ないこともある。


睡眠計測機器
ウェアラブル端末
(①スマホアプリ、②マット型、③ヘッドバンド、④スマートウォッチ系、⑤指輪型)
ポリグラフィ検査の項目を抜粋して簡易的に計測しています。
各デバイスの特徴
①呼吸・体動
②呼吸・体動・心拍数
③脳波
④体動・心拍数
⑤体動・心拍数+体温やパルス強度 などを計測出来ます

*終夜睡眠ポリグラフィ検査(PSG検査)
PSG検査は
脳波・眼球運動・心電図・筋電図・呼吸曲線・いびき・動脈血酸素飽和度などの生体活動を一晩にわたって測定する検査です。
この検査により、閉塞性睡眠時無呼吸、周期性四肢運動障害、睡眠時随伴症などの睡眠障害の診断が可能となります。
また睡眠の状態も測定できます。

☆自宅で脳波で睡眠を計測出来るツール(S’UIMIN)
https://www.suimin.co.jp/improvementplan

☆睡眠検査を行っている機関
https://www.suimin.co.jp/search-checkup

☆睡眠専門外来がある病院
https://www.suimin.co.jp/referral-hospitals

現在では様々なデバイスがあり安価なものまで存在します。
どれが良いのかは自分がどのデータを継続的により正確に計測したいのかによって
端末の値段とデバイスが決まってくるかと思います。
現在では脳波の計測も比較的安価でレンタル出来る様なので私も試してみたいと思います!

それでは次回またお楽しみに!!

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